関東地方の中期から晩期の土器型式

2012年11月07日

神戸縄文土器クラブです。
今月は関東地方の縄文時代中期~晩期にかけての土器の研究を始めています。

日本では関東地方、中部東海、東北地方にかけての縄文土器の出土が多く、その土器の形状や年代、出土した場所や発見者にちなんだ名前がつけられています。

今日は関東で出土した縄文時代中期の土器の型式を4つご紹介したいと思います。



①五領ヶ台式(神奈川県平塚市)
関東地方の中期から晩期の土器型式
 平塚市広川字五領ケ台にある縄文時代中期(約5000年前)の貝塚で、大磯丘陵の最東端に張り出した舌状台地に位置し、東と西の斜面に貝層が認められています。
  貝塚から出土した土器は「五領ケ台式土器」と設定され、中期初頭の基準資料と位置づけされました。文様は細線文(細い沈線文)と三角印刻文を基調として帯縄文の一群(縄文細線文土器)と半裁竹管による集合沈線文の一群(集合沈線文土器)の二系統に大別されるのが特徴です。(平塚市博物館)






②阿玉台式(千葉県香取市)
関東地方の中期から晩期の土器型式
 阿玉台貝塚は、黒部川に面した丘陵斜面の3ヶ所にわたって分布している貝塚です。国の史跡に指定されており、明治27年(1894年)以来 数次に渡る発掘調査によって縄文時代中期の土器をはじめ多くの土器、石器、貝輪等が出土しました。この貝塚から発見された土器は縄文時代中期前半の代表的なもので、出土地名から「阿玉台式土器」と呼ばれており関東地方における縄文土器編年の標式遺跡となっています。昭和43年(1968年)に国の史跡に指定されました。(千葉の観光まるごと紹介)






③勝坂式(神奈川県相模原市)
関東地方の中期から晩期の土器型式
 西関東~中部地方を中心に分布した縄文時代中期中ごろの土器型式です。神奈川県勝坂遺跡出土土器を標式とします。器種が豊富で、深鉢(画像資料)のほかに浅鉢、台付鉢、有孔鍔付土器、釣手土器などがみられます。文様は縄文の使用が低調で、太めの隆帯を多用しつつ主に沈線や結節沈線などで構成されます。粘土隆帯による人体や蛇体、獣類の表現も、この勝坂式土器に多くみられます。深鉢は概して大型のものが多く、器壁が厚いのも特徴の一つです。東関東の阿玉台(あたまだい)式土器とは併行関係にあり、中期後半には関東で加曽利E式、中部地方では曽利式へと移行します。
(山口市博物館)





④加曾利E式(千葉県千葉市)
関東地方の中期から晩期の土器型式
 標式遺跡は千葉県千葉市若葉区桜木8丁目に所在する加曾利貝塚であり、北貝塚のE地点の土器をもとに命名された。表面に弧を描く文様が連続していることから連弧文土器とも呼ばれます。この土器は縄文土器の編年を確立した故山内清男博士によって連弧文土器の指標とされたものです。(wikipedia、中野区役所)




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Posted by 神戸縄文土器クラブ at 21:17│Comments(0)縄文時代 の人と土器
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